プチポアンという刺しゅうをご存じでしょうか。見た感じはクロスステッチに似ていますが、プチポアンの方がもっと目が細かく色彩が繊細な印象です。今回はプチポアンはどのような刺しゅうで、クロスステッチとの違いは何なのかについて解説します。
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それではクロスステッチとプチポアンで具体的に違うところについて見ていきましょう。
クロスステッチではアイーダやジャバクロスなどの専用布や縦横が正確に織られたリネンなどを使用しますが、プチポアンでは絹のキャンバス地を使用します。
一般的に14カウントで刺しゅうすることが多いクロスステッチですが、14カウントだと1㎝あたり5.5目、1㎝四方だと30ステッチくらい程度です。一方プチポアンは一番粗い目のものであっても50目以上になり、最も細かいものだと300目もステッチされるようです。
つまり、とんでもなく目が細かいってことです!拡大鏡必須ですね。。
クロスステッチの刺し方はクロスステッチで斜めにクロスさせていくステッチ方法です。プチポアンはテントステッチを使用し、斜めにバックステッチで刺していく技法になります。クロスステッチで言うハーフステッチに似ていますが裏で多く糸を渡すので布に厚みが出るのが特徴です。
クロスステッチでは、刺しゅうしたものを額に入れて飾ることが多いです。プチポアンはその繊細なデザイン性のためバッグや家具、アクセサリー類に用いられます。またヨーロッパの貴族たちに愛され、マリア・テレジアやマリー・アントワネットも愛好したと言われています。
プチポワンにおすすめな人はこういう人です。
- すごく凝ったバッグや小物を作ってみたい人
- 細かい作業が大好きな人
- ヨーロッパのクラシカルでエレガントな雰囲気が好きな人
プチポアン刺しゅうの日本での第一人者は久家道子さんで1978年から長年プチポアン刺しゅうの制作、指導・普及に尽力されました。ロココ時代のデザインの華やかさや優れた技巧に魅せられた同氏は、当時のデザインの素晴らしさや、色彩、刺繍の美しさを伝えてきました。
クロスステッチ含め布目を数えて刺しゅうする技法をカウントステッチと言います。今回ご紹介したプチポアンもそのうちの一つです。他にはニードルポイント、ツヴィスト刺繍、アッシジ刺しゅう、地刺しなど様々なカウントステッチがあります。使用する技法はそれぞれ違いますが、布目を数えながらステッチするやり方は同じです。時間に余裕があれば他のカウントステッチにチャレンジしてみてもさらに幅が広がるでしょう。
以下参考になりそうな図書を集めてみました。