ハンドメイドの本やWEBレシピの商用利用はできるのか?どこまで参考にして良いのかも解説

ハンドメイドの本に掲載されている素敵な作品、「本を見ながら作ったら同じように出来たから、販売したら売れるかも?」と思ったことはありませんか。ですが、ちょっと待ってください。気軽な気持ちでハンドメイドサイトで販売してしまうと違法とみなされてアカウントの取り消しや場合によっては訴えられてしまうこともあるのです。

そこで本記事では、ハンドメイドの本からの商用利用はできるのか、著作権の問題について解説します!

この記事が参考になる人

・ハンドメイド作品の販売に挑戦したい人

・本の作品の商用利用ができるか気になっている人

・本の作品をどこまで参考にしてよいのか知りたい人

本の作品の商用利用は基本的にNG!

現在、手元に手芸本がある場合は、裏表紙辺りを見てください。以下のような記載がないでしょうか?

本誌に掲載の作品を、複製して販売(店頭、ネットオークション、バザーなど)することは禁止されています。個人で手作りを楽しむためにのみご利用ください。

日本ヴォーグ社『クロスステッチで作る フランスのかわいいピンクッション ビスコーニュ』より引用

このように明記されている場合は、商用不可であると言えますね。

ただし例外もある

ほぼ、本やWEBに載っている作品に関しては商用利用できないものが多いのですが、一部例外もあるので紹介しましょう。

ー著作権フリー、商用利用可と書いてあるもの

商用利用しても良いものは「著作権フリー」「商用利用可」などと記載があるものです。下記の本はそれにあたります。

ー著作権が切れているもの

著作権は著作者の死語70年間は保護されますが、それを過ぎると著作権フリーとなります。なので、相続人が居ない場合は誰でも利用することが可能になります。このようなものをパブリックドメインと言います。

そもそも著作権とは?

そもそも著作権とはどのようなものでしょうか。CRIC公益社団法人著作権情報センター によると

自分の考えや気持ちを作品として表現したものを「著作物」、著作物を創作した人を「著作者」、著作者に対して法律によって与えられる権利のことを「著作権」と言います。著作権制度は、著作者の努力に報いることで、文化が発展することを目的としています。

ポイント1著作権って何のためにあるの?

と書いてあります。つまり、ハンドメイドの場合で言うと作家さんがオリジナルとして生み出した作品のアイデアやデザインを所有する権利が著作権になります。

本に載っている作品を参考にする場合でOKなこと2つ

しかし、何も見ないで何かを生み出すこと、作り出すことはほぼ不可能だと思います。絵画でも練習として模写から入ったりしますよね。では、本に載っている作品を参考にする場合でOKであると考えられること2つを紹介しましょう。

ー昔からある手法など基本的な作り方を参考にする

例えば基本的な技術を参考にする場合です。巾着袋の作り方や、返し縫いの方法などは最近誰かが考え出したものでは無く、昔から伝わっている作り方になります。そのような基本的な事柄を本を見て真似て作る場合は違法にはらならないでしょう。

しかし、基本的な作り方+独自性のある方法が載っていた場合それを真似してしまうとNGになるので注意しましょう。

ーインスピレーションを受けて全く別のデザインとして作る

本やWEBに載っている作品を見て、誰しもインスピレーションを受けるものではないでしょうか。刺激を受けた結果新たにデザインやアイデアが閃いて作ったものに関してはNGにはならないでしょう。

全く新しいデザインを生み出すためには、世の中のたくさんの良質な作品に触れて、創造力を高めることも大事だと言えるでしょう。

本に載っている作品を参考にする場合でNGなこと

PexelsによるPixabayからの画像

では、本に載っている作品を参考にすることでやってはいけないことは、掲載されている作り方、図案などの一部だけを変えてオリジナルだとしてしまうことです。もとあるデザインをほんの少し変えただけでは、独自性のある作品だとは言えないでしょう。

グレーゾーンに当たる場合

本を見て作ってはいないけれど、どことなく似たようなデザイン、雰囲気になってしまった場合はグレーゾーンに当たるでしょう。 原因としては、恐らく以前見たデザインなどが記憶に残っていて、無意識に同じようなものを作ってしまう可能性が挙げられます。

しかし、意図的ではなかったとしても先に似たようなものがあれば、見る人によっては真似していると思われても仕方がありません。「真似している」などと言われないためにも、新たに別作品を生み出した方が良いでしょう。

意外と見落としがちな商用不可のもの

いまからは意外と見落としがちな商用不可のものを紹介します。これくらいなら大丈夫、などと勝手に判断しないようにしましょう。

ーキット

キットのデザイン、作り方などに関してもNGなことが多いです。お金を出して購入したのだから、商用利用OKというわけではないので注意しましょう。

ーバザー用に作って販売する

「自分の売り上げにはならないから、バザーで販売しても良いかも?」と思いがちですが、本の作品の場合はNGなことが多いです。しかし、WEBレシピなどの場合は、バザーでも作家名を記載したタグを付ければOK、バザーに限り使用OKとしているものもありますので作家さんのサイトをよく見て確認してください。

ーキャラクターやロゴ、デザイナーズ生地

有名なものでは、ディズニーキャラクターやスヌーピー、ハイブランドのロゴがついたもの、マリメッコの生地などデザイナーがデザインしたものは商用利用不可のものが多いです。市販品でもたくさん売られているから大丈夫ではありません。

スヌーピーのキャラクターを模して販売した人が逮捕されたという事例もありますので、もし心当たりがあればすぐにやめましょう。

商用利用できるかどうか迷ったら?

WEBで公開されている無料レシピや作家さんのサイトで購入したものなどは、商用利用に関しては記載されていない場合もあります。しかし、記載されていないから商用利用できるということではなく、「利用不可なのは当然知っている」という前提のこともあるので、迷った場合は問い合わせしてみると良いでしょう。

本の作品の商用利用は基本的にNG!オリジナルを生み出す努力をしよう!

本に載っている作品は素敵なものが多くて、ついつい真似して販売したくなるかもしれませんが、ほとんどの本では商用利用が不可になっています。

ハンドメイドを始めたばかりの人は、あまり意識してないことが多いですが、本に載っているデザインを真似して販売するということは、作家の努力や労力、アイデアを丸ごと奪ってしまうことに繋がることを理解してください。本来なら、作家さん本人が受けるべき利益なのです。

オリジナルのものを作り出すということは大変なことですが、試行錯誤して生み出したものが売れたり、評価された時の喜びはひとしおです。そのため、ある程度基本技術を学んだら、自分でオリジナルデザインを生み出す努力をしてくださいね。